筒井香織さん(Cl)&寺田典子さん(Perc)+わたし(Pf/Melodica) のトリオ曲、「ぼくはいもむし」です。 そもそもは5〜6年程前だったかと思うのですが、 才能あふれる私のマブダチから、いきなり短い歌詞だけが送られてきまして。 なめくじ君がちょっといじけながらも達観した考えを持って、 淡々と生きていく、というような内容だったかと記憶しています。 その当時、簡単なメロディだけはその歌詞にあてていたのですが、 曲として形にはしておらず、もちろんどこにも発表はしていませんでした。 今回「つきのおと」を制作するにあたり、 「あ、なめくじの曲」と急に思い出して、 曲のデータをひっぱりだしてきたのですが、 「このメロディは、なめくじというよりはいもむしだろう…」 と思いつきました。なんですかね、サイズ感的に。 そのメロディを叩き台にして、 いもむし君がしゃくしゃくと木々の葉を食べながら 日々、のんびり生活していて (そして彼は多分、達観した考えを持っていて、 わりとフラットな感情で生きていそうなイメージ) という曲にしてみました。 途中、彼は嵐にも巻き込まれるのですが、 多分、うまく木や穴ぼこに隠れて、難を逃れるのでしょう。 そうして出来上がったこの曲、 ぜひ香織さんと典子ちゃんとのトリオで形にしたいと思い、 お声がけさせていただきました。 香織さんはこの曲そのものを「いもむし君」と呼んでくださり、 度々「いもむし君の楽譜データが〜」などと 非常にファンシーなやり取りをしたことも良い思い出です。 もちろん香織さんのクラリネットの素晴らしさは言うまでもなく、 個人的には「嵐に遭遇したいもむし君が、日常に戻るまで」の セクションでの、典子ちゃんの細やかなパーカッションプレイが 隠れた聞きどころだと思っております! コード進行のおはなしをさせていただくと、 実は「ぼくはいもむし」とか名乗っている割には シンプルではなく、結構複雑だったりします。 Aテーマはいもむし君の淡々とした日常、 Bテーマはちょっと彼も悩んだりするのかなというイメージ、 Cテーマは彼のキュートさに焦点をあてた感じ、 とでも言うのでしょうか。 ぜひ余力があったらピアノバッキングにもご注目いただけましたら嬉しいです。